9月11日 朝
先日、奈良に行った際、ミナーラのロピアで買い物をした。割り箸をもらおうとすると、有料ですといわれ、いっぺんにロピアが大嫌いになったのだけれど、袋詰めをしながら考えるに、これは悪い兆候ではないことに気づいた。ロピアが嫌いという理由はほかにもいくつかある。現金払いオンリー。店内に足を踏み入れると、進路変更が利かない。カートはコイン式。冷やしたビールは売られていない。安いのだろうが、それほどでもない。等の理由が挙げられるが、普段、利用することのないスーパーなので、目新しさがマイナス面を希薄化していたのだと思う。されど、レジで当然のようにもらえると思っていた割りばしが有料と聞いて、なんじゃそら、と嫌いに拍車がかかったのだった。なれど、よくよく考えれば、レジ袋はすでに有料化されているし、割りばしが有料のスーパーやコンビニも時代の趨勢か、これからちょくちょく見かけるようになるかもしれないし、不勉強なだけで、もしかすると、相当数、世間に浸透しているのかもしれなかった。悪い兆候ではない、と思った論拠はスーパーの各サービスが有料化されると、逆説的にというか、結果的にカスタマーサービスの向上につながるのではないかという持論にある。どういうことか。特に年配のひとに多いのだが、スーパーや百均で買い物をしていると、店員に頼りすぎという客をよく見かける。〇〇はどこにありますか?親切な店員は該当商品の売り場まで品出しの手を止めて、案内してあげるのだが、よくよく考えれば、親切うんぬんではなく、その場まで案内せざるを得ない店内構造やシステムにあることがわかる。先日、ダイソーで一部始終を見届けた事例だが、おばあちゃんがセルフレジのスキャンを店員にやらせていた。セルフレジの操作方法を説明する店員を意に介することなく、やって、の一言で丸投げしていたのだった。このとき、サービスの有料化について、日ごろ、感じている持論がむくむくと頭をもたげたのだ。レジで割りばしをもらうとき同様の声かけ「有料になりますが、よろしいでしょうか」〇〇はどこや。案内は有料になりますが、よろしいでしょうか。なんぼや、訊ねてくる客だけを相手にすればいい。適正価格は80円ぐらいか。人件費と考えれば、レジ袋より高くなるのはいたしかたない。当然、この80円はチップと同じ。店員の収入にならなければ意味がない。セルフレジ。タブレット、スマホ注文。事前決済。省人化、無人化。変わらなければならないのはむしろ客のほうであり、いずれ、店員の手を煩わせる行為すべてが有料化されるかもしれないその日に備えて、今日も今日の発見に心を躍らせるのだった。