9月21日 朝

暑さ寒さも彼岸までとはよくいったもので、すっかり秋めいてきた。昨夜の晩酌はシーズン初の鍋料理だった。これがおいしかった。ことことと音をたてるおとうふをはふはふと頬張り、冷たいビールを流しこむ。えのきをしゃくしゃくと咀嚼し、冷たいビールで追いかける。とろっとろに煮えた白菜をポン酢にちょいと浸し、うーんうまいねえと口中に放りこむ。ビールをひとくち。何よりおなかが張らないのがいい。ちびちびとつまみ、ぬくぬくと過ごす。ああ、秋ですね。酒ほその秋の味覚スペシャルなんか引っ張り出してきて、読書の秋に食欲の秋。いい季節がやってきた。ついでに芸術の秋も追加して、芸術といえば、落語。最近、日曜日を自宅で過ごすことが多く、これはひとえにテレビで半沢直樹を観るためであるが、そのまえに落語ディーパーというものをよく観る。春風亭一之輔氏が司会を務める30分番組だが、以前はもうひとりいた。スキャンダルで飛ばされた。番組内容はひじょうに簡素かつ単純なもので、ひとつの演目を深く掘り下げ、ゲストの落語家と考察するというものなのだけれど、これがことのほかおもしろい。昨日は立川吉笑氏の創作落語「ぞおん」だった。創作だが、古典のような深みもあり、なにより面白かった。先週が死神。先々週は大工調べと古典を代表する噺であったから正直、期待はしていなかった。されど、すっかりやられてしまった。創作落語を毛嫌いしていた部分もあるのだけれど、考えてみれば、古典も当時の創作なのであって、名作が引き継がれ、あるいは米朝師匠のように時代に埋没した噺を復活させ現在にいたるのだ。そういう思いにいたると、創作落語を嫌う理由はなくなる。今後は積極的に聴かせていただこう。来週は待ってました。季節は違うが、傑作、長屋の花見。上方では貧乏花見と題名の変わるこの噺。落語テイストにあふれた作品の象徴といっていいかもしれない。本棚から漫画「おちけん」も出してきた。落語は読むのもおもしろい。

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