11月12日 午前中

米国を除くTPP11カ国が大筋合意した。これは近年における安倍政権の最大の成果といっていいだろう。当初は米国の参加が主要議題だったが、逆に米国不参加のほうが日本にとってはよかったのかもしれない。米国主導によるTPP推進に反対してきた多くの有識者、特に中野剛志氏などは今どのような顔でこの枠組みを眺めているのだろうか。今回、カナダの動きが少し気になるが域内貿易における主導権を確実に取ることができたことは大きい。メキシコの参加により米国産豚肉の日本市場でのさらなる苦戦は必至だ。これを受けて米国食肉業界からの圧力が強まるのではないかと報じられている。個別に日本とのFTAを急ぐ構えのようだが、日本側のスタンスは以前と同じようにTPPへの参加を呼びかけるものにとどまるだろう。かつて安倍政権が提唱したダイヤモンド構想だがここにきてようやく結実しつつある。今回の経済協定が日本の存在感を劇的に高める起爆剤になりそうな予感すらある。一帯一路構想を一歩先んでた形だが微妙な立ち位置の国もある。ベトナムなどはまさにそうで、ASEAN各国、支那、日本、米国の間を忙しく泳いでいる。無論、こうした動きはベトナムに限らず、各国が生き残りをかけたうえでのこのたびの合意だ。まだ、はじまりに過ぎないが、一応の結果を出したことは各国の満足のいくところだろう。また、米国抜きを好意的に捉えると日本にとっては主要輸出入産業がほとんど重ならない国が多く、日米懸念の自動車関連については今回の合意ではほとんど気にしなくていい。日本の今後を考えれば、夢の資源への希望は膨らむが、実際にはこうした地道で着実な交渉を繰り返していくしかない。これにインドを巻きこめば市場規模のさらなる拡大も見込める。以前、米国の経済学者が日本経済の今後に言及していた。もう10年前の話だ。「日本は衰退の一途を辿り、支那、やがてはインドがトップに立つ。それを米国が追随する。しかし日本も指をくわえて黙ってみてはいないだろう。次の一手を考えているはずだ」世界を驚かすのはいつだって日本だ。日本の逆襲、巻き返しの戦略が花開くときがきた。

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