3月13日 朝
タンクトップの季節がやってきた。花粉もやってきた。万博がやってくる。ドジャースもやってくる。すき家の牛丼が値上げする。マクドナルドも値上げする。よくも悪くも新たな季節に合わせ、新たな環境へと移り変わる。変えたくないものはあっても、変わらないものはないのかもしれない。変えたくなくても、変えざるを得ない。そんなことばかりが通り過ぎていく。いつごろからか、ドッグイヤーと言われ続け、今ではマウスイヤーが当たり前となり、キンギョイヤーと呼ばれてもおかしくないようなスピード感で世の中が加速化していく。当然、置き去りにされる人間が数多く存在するが、スピード感に乗って時代の先端にいるつもりの人間も実は時代の先に置き去りにされていたりする。そんな世の中。そんな世の中に繰り広げられる変化の波。波に乗るか、波に飲み込まれるか。はたまた波を飲み干すか。おそらく飲み干すことはできないから、波を無視するのが手っ取り早いが、波を無視したところで、波に揺られる生活は変わらない。変わらないのに変わっていく。そんなの世の中。夜中なのか世の中なのか、おなかなのか、背中なのか、もしかして裸なのか。裸で世の中は渡っていけねえだろう、というわけで、今日も服を着る。武器を持つ。マントを纏い、マスクで隠す。マスクの下で口を歪めていても、目は愛想よく笑っている。誰が敵で、誰が味方なのか。本当は敵も味方もいないのかもしれないと悟りながらもナイフはいつでも突き刺せると安堵する。次は何がやってくるのか。危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。タンクトップの季節がやってきた。タンクトップと思ってなめんなよ。クロちゃんみたいとおもって侮んなよ。アグネスチャンさんみたいにいわないでっていうとでも思ったかよ。見くびんなよ。見下すなよ。見下ろすなよ。見下げるなよ。軽んじるんじゃねえぞ。嘲るなよ。ざけんじゃねえぞ。貶めるなよ。小ばかにすんなよ。タンクトップの下で筋肉が盛り上がっているのでした。