1月17日 朝

あの日から三十年。来年は三十一年。再来年は三十二年。三宮の文化住宅で被災してから30年。押入れの上から掃除機がぴょーんと飛び出してきて30年。ポルターガイスト現象と勘違いして30年。月日というのは本当に早く過ぎていくものですね。業歴100年の老舗倒産過去最多。TSMC売上高と純利益で過去最高。千切りキャベツ一時量減大手決断。時の流れと時代を実感するニュースが錯綜するなか、何が琴線に触れたか。いただき女子実刑確定へ上告棄却。二審の減刑を不服として上告したときに裁判官の心証を害し、懲役9年に戻されるんちゃうか、と思ったが、減刑のまま確定した。6か月の減刑はホストの返金のおかげ。金と月日は帰ってこないが、金と月日が帰ってきてよかった。2000万と6か月だけど。いただき女子は26歳。8年6か月の服役で出てきたときは30代半ばっすか。29歳のクリスマスは塀の中っすか。弁済も残るというし、入るも地獄、出るも生き地獄とは前途多難な人生、これもまた人生の真理かもしれない。ただ、光明がないわけではない。8年6か月後のネームバリューを駆使して、新たな階段を上る気がしないでもない。才覚はある。金儲けの才能もある。知略がないわけでもない。あとはそれを合法的な道で使えるかどうか。と考えれば、この8年6か月は絶好の反省の機会かもしれない。26歳が34歳となったとはいえ、34歳からまだまだ人生は続く。どんなーじーんせいをー送ろうといいさー、おれはーおれのりゅうぎでーやってーいくー、とスタークラブが歌っているようにどんな人生も人様の人生なのだなあと30年を振り返ってみて、目が細くなる思い。26歳ということはあのころ、まだ生まれてなかったんだなあ。8年6か月後の世の中がどのようになっているのか。誰も知らない。来年の話をするだけで鬼は笑うというし、8年6か月後は鬼もいなくなっているかもしれない。上告棄却。刑が確定。それだけはわかっている。