7月31日 朝

7月も今日で終わり。祇園祭も見納め。疫神社夏越祭を以てすべて終了。8月に入ると、街は残暑の気配が色濃くなる。広島があり、長崎があり、終戦の日を迎える。その間に甲子園が開幕し、あれよ、あれよと盆がやってくる。今年の五山送り火の日は京都にいるはずだ。いろんなことを思い出しながら見送ろうと思う。世間はオリンピック一色。世界は猛暑のただなか。という感じでもなく、オリンピックは基本的に見ていないので、聞こえてくるのは誤審のニュースばかり。猛暑は暑ければ暑いほど、エアコン稼働率は高まるので、屋外にさえいなければ、逆に涼しい。猛暑で困るのは人間よりも屋外で育つ作物のほうで、コメ不足は続き、価格上昇も止まらない。とまれ、そうなると、やはり、人間が困るということにもなり、事態は深刻な状況かもしれないが、朗報がないわけでもない。8月電気料金1000円値下がり、というニュース。政府補助再開で家庭の負担軽減。わが関西電力も標準家庭で1040円の値下げ。3か月ほどの期間限定だが、ないよりはあったほうがまし、というわけで、冷房代をけちるのはやめましょう。冷房をつけず、命を削る。こんなバカは、と声を大にして言いたいところだが、思い当たるバカが自分のなかにもいるので、声は消極的に掻き消えていくのだった。そう、酒は命を削るカンナなどと申しまして、と落語のまくらにもあるように、酒飲みは命を削って、毎日、浴びるほど酒を飲んでいる。そんな日々を過ごしていると、身体が悲鳴を上げる日がやがてやってくる。昨日がそうだった。寝起きはそうでもなかったのだが、徐々に体調を崩していき、昼前には吐いてしまった。昼過ぎには決断した。今日は酒を抜こう。一年に一回か、二年に一回あるかないかの休肝日。酒のない夜もたまにはいいものなのだった。

7月30日 朝

日本も気温40度を超えるのが当たり前の国となるのか。一昔前の常識ではもう夏を乗り切ることはできない。出かけるときは日傘、サングラスは必須。というか、屋外での行動をとにかく避けることが重要。海水浴などもってのほか。冷房の効いた屋内でかき氷に舌鼓を打つのが正解。というわけで、昨日は何をしていたかというと、午前中はジムにいた。午後は巨大モールにいた。夜は自宅で日本昔話を観ていた。最近のマイブームというか、グルメ系昔話を観ながら、酒を飲むというのが定番化してきた。みょうがに味噌をつけて食べるののもマイブームで、それで思い出したのがみょうがの宿という一作。よく知られた話だが、おさらいしておく。宿屋を営む強欲な夫婦が金持ちの客を泊める。金持ちの客が身に着けた財布やら金銀財宝を置き忘れさせる方法はないかと夫婦で算段をする。それで思いついたのが、みょうが。みょうがをたらふく食べさせて忘れ物をさせることにする。な~る、と思ったあなたは由来通。みょうがを食べると物忘れをする、という由来について、ある程度は知っていたが、ひとに説明できるほど精通はしていなかった。由来を詳しく知ったのは水上勉氏の土を喰う日々を通じてからであり、ことあるごとに本棚からひっぱりだしては通読する手元になくてはならない名著だが、このなかにみょうがについての記述がある。昔、シュリハンドクというお坊さんがいた。晩年になって悟りを開いた偉い和尚さんだが、若いころは物覚えが悪く、自分の名前すら覚えられないので名前の書いた札を背負って暮らしていた。このお坊さんがなくなった地に芽生えた野菜が茗荷というわけで、このエピソードが定着した。みょうがを食べると物忘れをする、かどうかはわからないが、今朝は二日酔い。頭が働かない。みょうがのせいかも。

7月29日 朝

鳥貴族に行ってきた。にわとりの日というわけで大量280ポイントをもらい、そろそろ団長が見えてきた。その後は相当、長い道のりだが、こつこつと貯めていこうと思う。にわとりの日を終えて、今日はにくの日というわけでもないが、焼き肉にも行ってきた。ハイボールを飲みすぎて、終盤の記憶がない。どうやって帰ってきたのかも覚えていない。気づけば、素っ裸でベッドに転がっていた。起きると、頭が痛い。まあ、たぶん何事もなかったと思う、というか、思いたい。頭が痛い、といえば、物価高騰で頭が痛い、というひとが拡大する世の中、次は何に波及するのか。次は夏休みの国内旅行者数4年ぶり減、節約志向が鮮明に、というヤフーニュースの記事を見つけた。コメント欄で鳥海高太朗さんが解説していたので、記事は読み飛ばしたが、解説は最後まで読んだ。ほー、へー、なるへそ、なんのこっちゃ。どういうことか。鳥海氏によると、インバウンド増加でホテル価格が上昇しているという従来の見方とは別に、暑さの影響で徒歩中心の神社、仏閣をはじめとする観光地を避ける傾向があるほか、オリンピック期間は出かけるよりも家でテレビ観戦するほうがええのんちゃうかという見解を示しており、新幹線は前年比超なので、ホテル代のかからない帰省は順調らしい。コメント欄の下のみんなの意見では最多得票数が50パーセントの自宅で過ごす、夏休みがない18.5パーセントと続く。すさまじい格差社会だが、そういえば、オリンピック開会式を見ていて、フランスって国の魅力ランキング上位のわりには有名人で思いつくひとがいねえなあ、ぼけっと考えていた。いまだにアランドロン、カミュ、ココシャネル、セルジュゲンズブールあたりで止まっている。パリのパンクバンド?知らねえ。フランスの漫画家?知らねえ。ジダン?知ってるが、旬じゃねえなあ。と突如、格差で思い出したのが、トマピケティの存在だった。トリクルダウンは起こらないで一世を風靡したフランスの経済学者。オリンピックの経済効果も今は昔。二極化がますます進む現代日本なのだった。