2月18日 朝
仕事がない、何もできない、学もない、元力士が引退後に直面するセカンドキャリア問題、というトピックスが目を惹いた。お相撲さんのセカンドキャリアというのは今のご時世にかかわらず、昔からよく問題にされていた。他のスポーツとの違いはプロ入りと引退する年齢が比較的、早いという点で、実業団に所属しているわけでもなく、上に行けなければ十分な貯金ができるわけでもない。さらにいえば、巨漢であればあるほど、社会では元大相撲力士という肩書がつきまとったりもする。リタイア後の定番といえば、ちゃんこ料理屋経営が一般的に聞こえた時代もあったが、冷静に考えれば、それは氷山の一角にすぎず、普通は資金や資金提供者というハードルをクリアできないひとがほとんどだ。お相撲さんの多くが30歳の壁を乗り越えられず、引退する現実のなかで、幕下、序三段どまりのひとたちがその後、どうやってご飯を食べていくか。覚えているニュースの中では素行不良で逮捕された元力士もいた。最近、驚いたのは格闘技イベント、ブレイキングダウンに千代たいりゅうがオーディションに参加していたこと。どういう経緯で参戦することになったのか。幕下ならいざしらず、小結まで上り詰めた有名力士がなぜ、という疑問が先に立った。真意はどこにあるのか。検索すると、本人のインタビュー記事を見つけたので、要約すると、友人のため、というのが一番、大きな決定理由のようだ。詳細は割愛。今回のトピックスでは何人かの元大相撲力士の現況を追っているが、そのひとり、角界入り後、戎浪という四股名で9年間、土俵に立ち続けた男性は23歳のとき、骨折を機に引退を決めた。現在46歳。父親の経営するクリーニング店で働いている。相撲界の常識は世間の非常識。年代を考えると、いまの時代の大相撲とは異なることがわかる。明日に続く。