2月13日 朝

サザエさん症候群。日曜の夕方、サザエさんのはじまる時間帯を皮切りに憂鬱な気分に包まれること。サザエさんシンドローマーとは。サザエさんがはじまる日曜夕方の時間に涙するひとたち。当然、サザエさんに罪はない。日曜の夕方、奔放で少しおっちょこちょいの楽天的性格によって、50年にわたって大衆に勇気を与え続けている国民的番組だ。サザエさん募金とドラえもん募金で募金額を競っている間柄でもある。日曜の夜、寝るのが怖い。寝ると、また明日がはじまる。なんたるちやさんたるちや。気分はどん底。果てしなくアンハッピー。口を開けば呪詛の嵐さ。月曜が嫌で、あ、ちゅうたらこの世の別れ。まるで、夏休み明けの縮小版が日曜の夜、月曜の朝に鏤められている気さえする。その背景を探ると、月曜からはじまる仕事に対する向き合い方が深く関与していることに気づく。自分の仕事が好きな場合。念願のコンサート。明日が初舞台。明日こそいい作品を作り上げてみせるぜ。明日が楽しみでしゃーないというようなひとは月曜を厭わない。というより、こういうひとたちは曜日で仕事をしていないので、もしかすると、正月、盆も関係ないかもしれず、そもそも休み明けという感覚も薄いのかもしれない。翻って、肉体や時間を金に換え、嫌々、仕事に携わっている人間にとって、月曜は隷属の初日を意味する。不平不満は募り、土日にようやく解放されたかと思ったら、また繰り返しの日々がやってくる。ああ、明日は月曜だ。サザエさんがうらめしい。と思いきや、なんと翌日は祝日の振り替え休日。休みなのだった。これほどうれしいものはない。サザエさんが憂鬱ではなくなるのだ。そして、なんと祝日の朝はスーパーボールで幕を開ける。胸躍らせずにはいられない。やったー。そして、眠ると、火曜日の朝がやってきたのだった。少しだけ気分的には楽なのかも。