2月7日 朝
世の中に不愉快なことは数あれど、とってつけたような言動をする奴ほど腹立たしいことはあまりない。こういう輩には、つい本音が口をついて出てしまう。言わなくていいのだろうが、反論を試みるというか、返さずにいられない。風邪ひかないようにね。風邪なんかひくかボケ。ちゅうか、コロナに気をつけてなら3歩譲ってわかるわい。なんで風邪ひいたらあかんのじゃい。風邪は心のリフレッシュじゃい。イチに対してジュウを返してしまいたくなる。そういえば、松ちゃんもテレビでこんな感じだったなあ、とごっつや松紳やガキ使などを思い出してしまうのだった。「仕事とわたし、どっちが大切なの」「仕事に決まっとるやろボケ」ごっつのコントも今の時代にはそぐわないというか、単純にテレビで再放送は無理だろうなと思えるものも多い。ナンパして頭突きは当時も不愉快であったし、他人のテーブルのものを勝手に食べるなど、飛び火して、むしろ店が炎上する事案だろう。女を羽交い絞めにしている男の映像が流れる。松ちゃんが「間に合うか」の一言を発し、走って現場に駆け付ける。女を助けるかと思いきや「もう、先はじめんといてーや、待っといてっていうたやん」のコントに至っては完ぺきに犯罪擁護であり、今の時代というより、昔でもアウトだと思う。よく流せたなあ、と。ベストセラーとなった松ちゃんの初期三部作も歯に衣着せぬ物言いが話題だったが、その発言はかなり幼稚で当時も突っ込みどころ満載。しかし、世論を人気絶頂の力業でねじ伏せていた。とってつけたような社会に向こうを張って持論を展開していたのだった。その持論もとってつけたような社会では二度とは消えない焼き印となる。本音が武器になることもあれば、不利に傾くこともある。とってつけたような発言はそれを回避する処世術かもしれない。そう考えると、腹が立たなくなってきた、と思いきや、そうはいかのきんたまたこがひっぱる。やはり腹が立つのだった。わかぎえふ著「それは言わない約束でしょ」でも再読して、世の中を傍観してみよう、なんて。町田康みたいに締めるのであった。