12月31日 朝

今年もいろいろありました。過ぎ去りし日に思いを馳せて、とはいえ、思い出ほど儚いものはなく、現在進行形で生きているかぎり、そんなものに浸っている余裕はない。つねに前、たえず明日へ。さて、ドキュメント72時間の2位が始まる直前に出かけたので、1位はなんだったんだろうと検索すると、冬の北海道、村のコンビニで、だった。この回を見たかというと、見たような気もするし、見ていない気もする。冬の屋台ラーメン推しだったが、トップ10には入らなかった。というわけで、今年のニューストップ10を挙げていく。個人的1位は親知らずを抜いたこと。数日間は痛みに震えたが、抜歯の功名はあった。なんとその後、三か月間、現在に至るまでただの一度も歯間出血がない。親知らずを抜くまでは歯を磨くと、血が出ることのほうが多かった気がする。その出血もこの血はいい血と思い聞かせ、歯磨きになおいっそう励んでいた。歯の出血がなくなり、以前よりも歯磨きが楽しくなった。トップ10二位は奈良のしかさんにしかせんべいをあげたこと。ずいぶん、長い間、関西に住んでいるが、奈良に行ったことがなかった。京都に親戚が住んでおり、奈良には住んでいないということが一因であり、奈良になじみがなかった所以ではある。しかがかわいかった。トップ10三位以降になると、とくに順番にこだわりがなくなる。河島英五邸付近のもみじを眺めながら名曲、晩秋を聴いたというのもいい思い出。先日、宿泊した逸の彩ホテルもよかった。思っていたような風情ではなかったが、飲み放題のビールは五臓六腑にしみたのだった。世界を見渡すと、筆頭はやはり大谷翔平ドジャース移籍がトップだろう。これだけで、来年を乗り切れる気さえする。悲しいニュースも絶えないが、楽しいニュースでプラス思考に拍車をかける。来年も昇り龍でありたい。

12月30日 朝

30日にもなると、ああ、今年も終わるのだなあと実感する。今日の楽しみはドキュメント72時間年末スペシャルで、年末の恒例のようになってきた。72時間で最も覚えているのは福岡のラーメン屋。店名は忘れたが、24時間やっている店で、とんこつ細麺の典型的博多ラーメンだった。客はまさに千差万別。トラック運転手の夕食、家族連れの夜食、職人の朝食とラーメンは凡人の胃袋を選ばないのだった。その昔、朝ラーという言葉がはやったが、もともと朝からラーメンをいただくという文化は各地に存在するようだ。有名なところでは喜多方ラーメンなどがそうで、寒い地域のラーメンは温かい味噌汁とめしを一緒にかっこむみたいなものなのかもしれない。同様に朝カレーというものも今ではすっかり定着したというか、物珍しいものではなくなった気がする。インドの朝ごはんと思えば、違和感もなく、野菜サラダを付ければ、栄養バランスも悪くはない。最近はホテルの朝食ビュッフェで必ずカレーを食べる。だいたいどこも似たような味なのだが、好悪をつけるとすれば、熱々か温いかどうかという点。なかには冷めたカレーが好きというひともいるかもしれないが、ぬるいカレーは得てしてまずい。カレーが熱々というだけで味うんぬんは関係なく、及第点を与えることができる。そういった意味ではラーメンもそうで、名作、たんぽぽのなかで、ゴローさんはいう。アツアツじゃないラーメンはラーメンではない。これはあったかうどん、あったかそばも同様。なか卯のはいからうどんはなぜいつもぬるいのだろう。もう二度と頼むものかと誓ったのは最近のことで、最近といえば、つい先日、通天閣のふもとにある三吉うどんのかけそばを久しぶりに食べたくなって、昼過ぎに訪れてみた。そこで衝撃の事実に出くわすのだった。なんと営業時間は9時から13時までで、時刻を見ると、13時を10分ほど回っている。本日の営業は終了しましたという冷たい文字。文字もあったかいほうがいいなと痛感したのだった。

12月29日 朝

本日、仕事納めというひとが多いかもしれない。株も今日が大納会。来年は新ニーサもはじまるし、勉強したもん勝ちという学習格差がさらに広がっていくのかもしれない。昨日もそんな学習格差に触れる機会があった。ぷらぷらとイオンラウンジに向かっていたら、おっさんに追い抜かれた。たぶん同じ目的地に向かっているな、とその足取りのあさましさにうんざりしながら一秒でもおっさんの後ろに並ぶのはいや、というわけで、チェックインが終わるタイミングを計りつつ、歩幅調整をする。しかし、終わる気配がない。追いついてしまった。見ると、眼鏡をずらし、オーナーズカードを見ながらタッチパネルにぴこぴこと入力している。なんじゃそら。店員さんが慌ててタブレットを取り出す。お茶をもらって帰るだけだが、一応、席に着く。ほー。ほな帰ろか、と入口にはまだおっさんがいた。なんじゃそら。何気に後ろを振り向くと、おっさんがいた。入力が面倒であきらめたのか、はたまた、別の日時を選択したのか、さだかではなかったが、入店せずに帰ってしまうひとを見たのは初めてだった。タッチパネルを前にとまどうおっさんおばはんをさんざ観察してきたが、傾向というか、その違いもさんざ見てきた。おばはんはタッチパネルにとまどいながらも最後まで完遂するひとが多いように感じる。よくいうと粘り強く、あしざまにいうと、ずうずうしい。とにかくどかない。レジの前もタッチパネルの前も受付の前も会計の前も店員の前もひたすらどかない。あと、下準備もしない。その場でスマホを取り出す。その場でクーポンの存在に気づく。精算機の前で駐車券を探す。おっさんはめんどうになるとすぐに店員を呼ぶひとが多い印象。ひどいのになると、タッチパネルに触れることすらしない。受付のタッチパネルを無視し、店員が駆けつけるのを待つ。店員がタッチパネルの説明をしはじめるが、それを適当にあしらい、席に案内するよう命令口調で急かす。それでもなおタッチパネルをご利用くださいと抗う店員になすすべなく、はあ、と入口に響き渡るようなため息を吐き、どこを押すんやこれ、と仕方なく操作をしはじめる、という光景をくら寿司で一度、見たことがある。atmに並ぶ年末の大行列を見て、学習格差を実感したのも思えば昨日のことだった。