9月28日 朝
うねめ祭りの日。本日、奈良を訪れることはないが、近々、また奈良に行く。奈良の魅力はなんなのだろう。京都のように華やかではなく、大阪のようににぎやかでもない。街もこぢんまりとしている。三条通りを歩くと、なんでこんなに静かなのというぐらい京都との違いに気づく。観光客はひっきりなしに歩いているのだが、うるさくない。通りが水を打ったように静まり返っている。どうやらこれは車や交差点の発する音の少なさに起因するようだ。交差点のふぃー、ふぃー、と鳴り響く音や音楽が聞こえてこないのだ。そんな折、先日の日曜日、三条通りを猿沢池方面に歩いていると、キモいおっさんの集団が歩道を埋め尽くしていた。道路をはさんで反対側にアイドル風のユニットが踊っており、歌っていた。なんのイベントなのだろうか。一組だけでなく、何組も交代に出演しているようだった。外国人観光客も足を止め、興味深そうに眺めていた。音が小さく、いま何と呼ぶのか知らないが、昔のラジカセから流れてくるような店先のBGMのような趣があった。ひたすら写真を撮っている。近くではチェキも行われていた。みんなチビでブスだった。観光客のほうがよほど芸能人らしいというか、スラっとした体形で端正な顔つきをしている。欧米人とアジア人の違いというか、家畜人やぷーの気持ちがわかるというか、人種が違うといえばそれまでだが、もっと決定的に造形美が異なるのだった。猿沢池を一周して、また来た道を戻ったのだが、まだ、アイドルの歌と踊りは続いていた。近くの飲食店の入り口では女の子がギター片手にブルーハーツを歌っていた。てがかりになるのはー、うすいーつきあーかりー。そういえば、ずいぶん歌ってないなあとひさしぶりに刺激を受けた。ギターもほこりをかぶっている。弦を張り替えて、曲作りにはげもうと思う。