9月6日 朝

立ち飲み庶民四条大宮店をはじめて訪れた。入り口で酔っ払いから筋肉をほめられ、いい気分で入店。テレビのまえの奥の席を確保。庶民は大阪駅ビル店を利用したことがある。ちょうど、京橋でコロナのクラスターが発生した時期だったと思う。まだ、意識が薄かったのか、あるいはこれでソーシャルディスタンスのつもり、といった感覚だったのか、とにかく店内はいつも外から眺める庶民の景色が広がっていた。名物の刺身盛り合わせとかま焼きを注文したが、昼時でかま焼きはすでに売り切れ。出てきた刺身は予習していたが、いざ、目の前にすると、その大きさに確かに目を見張ったのだった。大瓶が350円だったか、民主政権下の円高が終わっても値上げを実感するのはまだまだずっと先のことだった。立ち飲みへの憧憬はこのころには消えていて、決定付けたのは天満駅前の銀座屋の経験だった。店員に笑顔はなく、不愛想でため口。安かろう、悪かろうの見本のような店がいつも満員御礼。昭和の小人のようなひとたちでいっぱい。自分が巨人になったような気分に陥った。せんべろならサイゼリヤのほうがはるかに上。以降、立ち飲みを訪れることはなくなった。おそらく、この日の庶民訪問がそれ以来の立ち飲み訪問だった。四条大宮の庶民だけは行っておきたかった。せっかく宿泊するのだから、この機会を逃すのは惜しい気もした。覚悟を決めて、入店したが、拍子抜けするほど、店内はリラックスした様子で、日曜の夜も作用したのか、すし詰めでもなく、飲み始めてしばらくすると、ぽつぽつとさらにひとは減っていった。瓶ビールを注文すると、おどろいたことに中瓶だった。中瓶で350円。ステルス値上げ。いわゆるシュリンクインフレーションの波が立ち飲みの聖地にも押し寄せていたのだった。明日に続く。