7月31日 朝
大阪桐蔭vs履正社の決勝戦は大阪桐蔭のワンサイドゲームとなった。誰がこのような試合展開を予想しただろうか。こうなったらもう甲子園の決勝の舞台、智辯和歌山vs大阪桐蔭の熱戦に期待するしかない。ちなみに甲子園の勝ち星は長年、智辯和歌山を率いた高島仁監督の68勝が歴代一位。西谷監督はこれを追う形の61勝で二位。来年の夏には記録が更新されるかもしれない。さて、大阪大会が終わって、本日は祇園祭最終日。7月が終わって。8月がはじまる。心なしか残暑の気配が感じられる今朝の空気は意外なほど冷たくて風がおだやかにカーテンを揺らしている。8月に入ると、夏祭り、花火、原爆慰霊、終戦記念日と立て続けにやってきて、オトナの夏休みでもあるお盆の季節が到来する。ジウジウとうるさかったアブラゼミの鳴き声がツクツクボーシのとぼけた音色に変わりだすのもこのころだ。夜半に淀川沿いを歩くと、秋の虫がすでに騒ぎ立てていたりもする。きゅうりやなすを馬や牛に見立てて、先祖の御霊をお迎えする日本古来の行事がいつごろはじまったかというと、7世紀の終わりから8世紀の始めごろといわれている。794うぐいす平安京を少し遡り、平城京のころには祖先供養が各地で確立されていたという日本のアニミズム的な一面を改めて思い知る儀式でもある。13日に迎え火を焚き、一家総出で、お墓参りをする。16日に送り火を焚き、一家総出で、お見送りをする。思い出すのは子供のころの風景だ。まだ、親戚付き合いがあったころ、盆になると、おばあちゃんの家に親族が集まる。昼過ぎだったと思う。うちわや扇風機の風に当たり、おかしをつまんだり、世間話に花を咲かせ、夕刻のちょっとまえぐらいに裏山の墓に親族一同、あぜ道を通って向かう。だんご山と呼んでいた記憶がある。ボタ山だったかもしれない。夜になると、真っ暗になり、山の形が消えてしまう山。子どもたちだけでは行ってはいけない山。墓参りが済むと、大広間で宴会がはじまる。網戸もなく、窓の外にはお盆の香りが漂っている。そんな風情をおもいだす。今年の五山の送り火は三年ぶりに全面点火で行われる。お盆の精霊を送る伝統行事。今年は特別な思いで送り火を眺めることになる。たぶん冷房の効いた部屋のテレビを通じて。7月も今日で終わり。誕生月が終わってしまう。悔いのないよう一日を大切に生きる。突然、終わってしまう命があることに思いを馳せ、今日を、今を生きる。