ここ数日、食器棚の改造に取り組んでいて、試行錯誤しながらなんとか完成させた。問題はその副産物であり、どういうことかというと、そこには悪戦苦闘の傷跡が見え隠れするのだった。マンションなのでリビングには限られたスペースしかなく、長年、60センチ四方のものと30センチ四方のものを連結して使っている。ニッセンで買ったとてもシンプルでこじんまりしたキッチンボードだ。30センチ四方のものは上部のガラス扉部分をコップ類の収納に使用しており、引き出しをはさんで下部の扉にはどんぶりなどをつっこんでいる。引き出し部分は使用頻度の高い常用サプリ類。上は棚板が二枚あって三段収納。下は棚板一枚の二段収納。この下の棚板を外し、上に持ってくることにした。棚板三枚の四段収納にすると、それまで重ねて収納していたコップたちが見事、独立を果たし、無駄なスペースの解消にも成功した。それで下の収納も棚板三枚の四段収納にしてやろうともくろみ、この計画は先週半ばに始まった。下の扉部分はもともと棚板一枚であったが、突っ張り棒をかまし、ダイソーで買ったまな板を棚板として、一応、三段収納にはしていた。このまな板のサイズが幅25.5×奥行35センチ。まず、棚ダボが必要となり、ストックをあさると、結構、あった。本棚などに使うダボはサイズが大きすぎて合わず、ひとつだけ見つけたおそらく食器棚の予備とみられる棚ダボを当てはめると、これがはまった。あてずっぽうで似た形のダボを近所のホームセンターで買ってきた。早速、取り付けると、大きすぎて合わない。これが5ミリ幅。続いてアマゾンで3.5ミリ幅を購入する。翌日、届いたそれをつけるが小さすぎてすっぽ抜ける。同じくアマゾンで4ミリ幅を購入。その間に棚板選び。まず、近隣のリユースショップを巡り、30センチ幅のキッチンボードが売られていないか確認。タイミングだろう。まったく見当たらない。近所のホームセンターに市販の棚板を見に出かけるが、奥行きが本棚サイズばかり。こちらも断念。棚板づくりから開始することにした。計測では横幅25.7ミリ×奥行はもともとのものが34センチ。35.5センチぐらいまでなら扉が閉まる。板を選ぶが、生来の吝嗇気質に加え、根がなんとかなるだろうという楽観主義にできているため、25×910の板を購入することにした。これが税込み877円。30×910が987円。この時点で100円けちったわけだが、さらにその先も計算してけちったわけで、25×910の板を木材カットサービスワンカット33円、ということはツーカット66円で済む計算。30×910ではスリーカット99円の出費となる。すべてはこの吝嗇気質と楽観主義がもたらした悲劇ではあった。帰って取り付けると、すっかすかで寸法が合わない。7ミリという誤差がこんなに大きいのかと悲劇を嘆いた。さらにどうせもっと必要だろうとアマゾンで注文しておきながらついでに4ミリ幅の棚ダボも買ってきた。これもすっかすか。慌ててアマゾンのほうをキャンセルし、今度は4.8ミリ幅の棚ダボを購入。翌日、届いたそれは今度は経が大きすぎて入らない。オーマイガッ。残る可能性は4.5ミリ幅。これはホームセンターには売っていない規格で、なぜか、それまで141円とか177円だったダボは4.5ミリだけ800円超えという驚異の価格。ダボはあきらめた。どうせ、板もすっかすか。心の隙間にからっ風。それで考えたのが、エル字型の棚板受けの可能性。可動性は失われるが、背に腹は代えられないと悩んでいるところへネットの朗報。そういうときはダボにマスキングテープを巻けばええが。そいつはええが。すぐと、それを試してみた。マスキングもあったのだけれど、手っ取り早く滑り止めの意味も兼ねて4ミリ幅のダボにビニールテープを裁断して巻いてみた。正解はひとつではないのだとまたしても世の中に教えられたのだった。こうして棚ダボの問題は解決した。足りないダボは3.5ミリ幅にテープを二重巻きにして対応。そこに25×34の棚板を乗せるが、やはり落ちる。もうすべてがめんどうになってきた。結句、ふたたび近所のホームセンターに出かけた。採寸ももともとの棚板を外し、きっちりやり直した。25.7センチ。ちょっと隙間ができるので25.8センチでいこう。30×910の板を購め、25.8×34センチのスリーカット。99円。板代987円。ダボ箇所をけずるため、ダイソーで彫刻刀を購入。さらに今回のダボの失敗を教訓にノギスも買っておいた。きっちりとダボ箇所に印をつけた板を削っていくと、一瞬で板が割れた。板を割らないよう中途半端に加工終了。取付完了。あらあかじめカットしておいた滑り止めを敷き、作業は完了と思いきや、ここから食器をパズルのように並べたり、引っぱり出したり、考えたり、疲れたり。食器棚が完成すると、25×34が二枚、25×23と25.8×23の板をどうするか勘案。棚を作ることにした。余った4.2センチ幅の棒を22.5ずつに自分でカット。ベランダで。もうこの時点で疲労はピーク。電ドラでねじ止めするが板が割れる。細いくぎを打つもすぐ取れる。最終的には板を割らないようにゆっくりねじ止め。それでも板が割れる。なんとかすべてを連結。棚がふたつできた。これをさらに連結するかどうか。割れた箇所を隠す意味もこめ、リメイクシートも貼る。今日はこれを仕上げる。