4月16日 朝

リットン調査団と聞いて、なにを思い浮かべるか。健全なあなたは満州事変のさい、送り込まれた国際機関の調査団が頭に浮かぶかもしれない。されど、健全ではあるが、異彩な自分はお笑い芸人のほうがとっさに浮かぶ。今朝、たまたまネットニュースを見ていると、リットン調査団の水野氏の写真があった。ずいぶん後退した生え際に初老というよりは還暦も過ぎ、実際におじいちゃんなのだが、気持ちの悪いその笑顔は妖怪じみていて、ゲゲゲの鬼太郎に出てくる子泣きじじいみたいになっていた。長年、お笑いファンをやっているが、たとえば、m1とかr1とか、お笑いグランプリのなかで、評価が割れるネタがあったりする。以前も何かネットの書評で「筆者はめちゃめちゃ笑った」と書いている芸人さんのネタにさほど共感をおぼえなかったり、逆にこの完成度が評価されないのかと腹立たしく思うときもある。おおざっぱに点数をつけるのではなく、細かく区切って五項目ぐらい設定してから点数をつけるほうがいいのではないか、とも思う。全体の完成度、スキル、ルールに沿っているか、爆発力、発想力、同時代性、説得力、展開など、評価対象を論えばきりがない。そんな区分が必要となる理由のひとつは突き詰めればお笑いも芸術のひとつの姿であるという趣味嗜好性の違いによって生じる感性の分かれ道が存在するからだと思う。リットン調査団が好きだ、というお笑い好きがいるとしたら、そのひとの感性は信頼に値する。昔、ジーメンズというコンビを今宮戎こども漫才で見たとき、衝撃を受けた。テレビでは見たことがあったが、実際に生で見ると、ひっくり返るほどの迫力に圧倒された。コンビ解散後、ひとりは芸能界からいなくなり、ひとりは今もハリウッドザコ師匠と称し、芸能界で暴れまくっている。リットン調査団の水野氏がこの度、61歳で歌手デビューされるそうだ。というか、配信が15日なので、もうデビュー済みか。タイトルは「はつ恋」20年前のイベントのさい、作った曲というが、タイトルが「はつ恋」初がひらがな。相変わらずのセンスだと感心した。