4月7日 朝

ウクライナ戦争が苛烈を極めている。目を背けたくなる現実が遠い空の下で繰り広げられている。この空が近づくことはあるのか。リアルに戦争を体験していない世代としてはリアルな戦争は新聞や映像を通して見る悲惨な光景であり、近年ではイスラム諸国やアフリカの一部がその対象だった。見聞きする証言はとりわけ弱者に対する暴力の部分が印象に残り、その場面を想像すると、一日が暗く沈んでしまうようだった。こういった気分に陥ったとき、身勝手ながら情報の転換を図るというのは生きていくための知恵であり、陰惨なテレビを消して無慈悲なネットも閉じてしまう。ごろんと横に転がり、本を読む。未読本には事欠かない環境にあるので、読もうと思えば、横溝正史大全集みたいなリサイクルブックフェアでもらってきた本なんかもある。最近、アマゾンから届いた本は新世紀版朝めし自慢という本で、朝めし自慢シリーズを手に取るのはこれで四冊目となる。人生100年時代と謳われるように年寄りの平均寿命は年々、伸び、出生率は年々、下がり、これは毎年、11月の敬老の日の発表でわかることだが、どちらも前年を下回ったり、上回ったりすることはない。もうずっと右肩上がりと右肩下がりを更新し続けている。そんな年寄りの長寿を支えるのは食事内容にあると強く思える本が朝めし自慢であり、どこがやっているかというと、高齢者愛読マガジンのサライがやってるやってる。一名につき、献立写真を載せたカラーページと白黒の解説部分の二ページが割り当てられており、そのこだわりはまさに人生100年時代を象徴するかのようだ。長寿を保つためには畢竟、食事内容の充実が最も手軽な近道で、漬物と湯漬けで朝食を済ませていた激動の時代を生きたかつての年寄りたちが懐かしい内容だ。玄米がゆに野菜のポタージュ。「我が家の食卓必需品」に至っては金に糸目はつけませんとばかりにおのおのこだわりぬいている。マクドナルドで朝食を済ます若年層とは栄養のいきわたり方が違う。深く感心しながら読書にはげむのだった。
posted by せつな at 07:26Comment(0)日記