4月3日 朝

「焼肉ライクが4月4日よりすき焼きライクに生まれ変わります。3年間、焼き肉ライクのご愛顧ありがとうございました」という文字を最初、見たとき、ばっかじゃねーの、ばーか。と呆れて言葉が出てこない反面、悔しさ、もったいなさ、そのいさぎよさに時代を変えた経営者の真髄を見た気がした。価格をチェックすると、国産牛すき焼き鍋セット1280円のみ。野菜、ごはん、キムチ、生たまごが付き、ごはん、生たまごは終日おかわり自由。もう、利用することはないだろうなとここまできてまだ疑う由もなくピュアで純真かつ無垢をもっとうに年齢を重ねてきた自分はどこまでも高潔なのであった。結句、これはエイプリルフールの冗談だったのだが、すき焼きの店をオープンするというのは本当のようで、その一号店が期間限定で上野にできる。4月4日から5月9日までの約一か月。マーケティングを意識したアンテナショップという位置づけのようだが、果たして一人すき焼きに需要はあるのだろうかと個人的興味も強く沸く。もし、そこそこ需要があるのであれば、すき焼きに限らず、一人鍋専門店として、視野が広がる。最も手軽なのは一人しゃぶしゃぶ、一人湯豆腐あたりで、さらにレベルを上げると、一人ちゃんこ、一人じゃっぱ、一人チゲ、一人うどんすきと続き、最終形態は一人かにすき、一人てっちり、一人すっぽんぐらいまで見据えることができる。ここで、ふ、と疑問が浮かぶ。一人焼肉と違って、一人鍋料理というものはひじょうにペースがつかみにくい気がする。まして、これにワンベロ席が加わったとして、呑み進む算段は60分では元が取れない気がする。一人焼肉から一人すき焼きへ。これで思い出すのがかつてのドラマ「結婚できない男」で、一人焼肉などは序の口、一人ビヤホール、一人金魚すくいと一人シリーズが各回で展開され、最終回は一人手巻き寿司だったと記憶している。最終回に持ってきたということは一人シリーズで最上級に高い水準にあるのが手巻き寿司というわけで、翻って、焼き肉ライクに話を戻すと、手巻き寿司ライクが最上位のライクかもしれない。その過程には当然、一人串カツや一人焼き鳥もあるでしょう。もしかすると、一人わんこそばなんかも欲しているひとがいるかもしれない。ここまでくるともうわけがわからなくなる。大会などを除くと、わんこそばというコンセプト自体がだいたい一人わんこそばであったりして、セルフわんこそば、とか、自動わんこそば、とか思いつく限りではあまり楽しそうではない。一人シリーズの需要があることはまず間違いない気はする。
posted by せつな at 07:55Comment(0)日記