1月24日 朝
昨日、ワイドナショーを観ていたら、前澤ゆうさく氏が出演していた。宇宙生活のエピソードを語ったあと、最後に、これからやりたいことを三つ挙げた。印象的だったのは世の中からお金をなくしたいというもので、宇宙に行って、この思いはより強くなったという。お金のために働く。という価値観にとらわれると、マルクスの資本論に行きつく。松ちゃんが「お金をなくすと、手を抜いちゃう」的な発言をされていたが、この発言の根底にはかつての社会主義の失敗を目の当たりにしてきた世代特有の視点が影をひそめている。小林多喜二の蟹工船やちょっと前に世の中を席巻したピケティの新しい資本論は結局のところ、富を持つ者と持たざる者の比較において有効なだけで、そもそも人間を語るうえで、これからの社会にはあまり役に立たない。「お金2.0新しい経済のルールと生き方」という本を読んだ。著者は佐藤かつあき氏といい、フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」AERA「日本を突破する100人」30歳未満のアジアを代表する30人などに選出された人物だ。第1刷発行が2017年11月なので、新型コロナが世界を襲う少しまえの主張となる。結論からいえば、お金は単なる道具である、ということで、お金は資産でもなんでもない。土地だって生きている間のマーキングに過ぎない。あれこれ集めた蒐集品も世代が変われば持ち主が変わるだけ。そうやって名刀や名画は残っていく。お金2.0で語っている3つのテーマを挙げるとすれば、それは仮想通貨、ブロックチェーン、トークンエコノミーということになる。デジタルネイティブからトークンネイティブへ。2017年といえば、もしかしたらビットコインで億り人が続々と誕生した年かもしれない。本書をまとめるには時間が足りない。前澤氏の世の中からお金をなくしたいという夢は意外に早く実現するかもしれない。少なくとも現金とATMは早々になくなるだろう。お金で働くのではなく、価値観で働く、という考え方もそのうち浸透する。お金はAIやロボットに稼いでもらえばいい。もちろんAIやロボットのモチベーションはお金ではない。数字だけがあちらからこっちへ、こちらからあっちへ動く世界。これはもう個人的にはかなり実現した。生まれたときからスマホがある世代が世の中を動かす。意外と早く実現させるためには高齢者をどうにかするしかない。バブル脳もいらない。200年に一度のエレメントの変わる時期。もう変わっているかも。