1月18日 朝
最近、インスタントコーヒーが好きだ。粉を入れて、湯を注ぐだけで、ホットコーヒーが楽しめる。まさに文明の利器というか、忙しい現代人にこれほどマッチした飲み物はないとまで思える。以前はコーヒーメーカーを使ってコポコポと入れていた。こちらも大して手間はかからないが、ペーパーフィルターをセットする時間が無駄。自分でコポコポと入れる方法もあるけれど、これは論外。煙草をやめてから店でコーヒーを飲むという習慣もなくなったから、こういうしっかりとしたコーヒーを味わうこともない。二リットルのアイスコーヒーを常備しているが、これはおもにプロテインを割るための用途であり、基本的に楽しむという感じのものではない。インスタントと呼ぶべきか定かではないが、プチカップやドリップ、スティックタイプも試した。時短順で行くと、スティック、プチカップ、ドリップで、それぞれ一長一短がある。まず、スティックタイプは最も手軽だが、量が少ないので、濃いのを飲みたいとか、薄いのがいいとか、自己主張をしはじめると、お湯の分量の調整が難しくなる。そうすると、濃いのを飲みたい場合、だいたい一本で紙コップ一杯分なので極端にカップの分量が少なくなる。かといって、二本分をまとめて使うかというと、そんなお大尽みたいな芸当はとてもできないわけで、結句、薄めて飲むしかなくなる。まあ便利ではある。プチカップも手軽だが、こちらも薄め。さらにおもわぬところに危険はひそんでおり、その瞬間はプチカップをいままさに開けようと力をこめたときに訪れる。ぴしゃ。音で表現するとこんな具合。口の部分が往々にして固く、開いた瞬間、飛び散るのだ。これがTシャツにかかったことがある。へこんだ。ドリップのものはたまたま安かったので買ってはみたが、とにかく面倒。パックの上部部分をぺりぺりと指で切り裂き。両端の耳をカップにひっかける。少量のお湯をゆっくりと注ぎ、全体にいきわたったらそのまま20秒ほど蒸らす。それからカップがいっぱいになるまで、数回に分けてじわりじわりとお湯をそそぐ。薄ければ、パックの両端をたたみ、お湯の中でゆさゆさとゆさぶると濃く出る。できあがったその一品は確かにおいしい。インスタントではなく、本格的な味わいがある。でも、そんなものは求めていない。求めているのはこんな感じ。ドン・キホーテで100グラム198円のインスタントコーヒーを買ってくる。ちなみにポーランドのインスタントコーヒーメーカー。コーヒーボトルのふたを開け、なかぶたのペーパーに一か所だけ指で穴を開ける。大きさは人差し指一本ぐらいの穴。お湯をわかす。カップを用意する。カップに粉を瓶から直接、入れる。さらさらさら、さら、ぐらいの量。やがて、お湯が沸く。お湯を一気にそそぐ。できあがり。飲む。完璧な朝がはじまる。