11月30日 朝
今日で11月も終わり。明日から師走。師も走るから師走。この師は先生を指すものではないとも聞くが、とにかく師も走るほどいそがしい季節がやってくる。それでおもいだすのがお取り寄せ王子というマンガで、主人公の職業はシステムエンジニア。毎年、年末になると、終電どころか、徹夜も辞さない職場で働いている。そんな激務の日を慰めるのもお取り寄せ、というわけで、王子こと、主人公、飯田よしみの年末風景を唐突に思い出してしまったのだった。全7巻を蒐集しているが、最近はネットでも見られるのでいちいち本棚に向かう必要もない。とおもったら最初のほうだけだった。やはり、向かおう。暮れも押し迫った繁忙期、折れかける飯田くんの心を支えるもの、それはごほうびグルメ、天たつの「越前仕立て汐雲丹22グラム3564円」長崎のからすみ、三河のこのわたと並ぶ、日本三大珍味のひとつ、越前の汐雲丹だ。実は酒飲みのくせにこの三つを食べたことがない。からすみもねえ、このわたもねえ、しおうになんてなにものだ、というわけで、長らく憧れだった。いつか、食べてみたいと思っていた。と、書くと、まるで願いが叶ったように聞こえなくもないが、いまだ未到達。今日もハンバーグ。こたつとウニで年末を乗り切る飯田くんのように1年を乗り切るための何かご褒美が欲しい。あちらが日本三大珍味であれば、こちらは世界三大珍味だ。早速、買うたろう、食ろうたろうと思ったそんな矢先、知人から世界三大珍味ポテトスナックというものをいただいた。これは100円ショップ、ダイソーで買えるもので、さっそく、買うたろう、食ろうたろうとおもった商品もこれのことだ。偶然は必然なのだった。昨夜はキャビアを開けた。キャビアは従兄の結婚式で一度、食べたことがあるが、この幼少期の一度だけで、当然、味どころか見た目すらおぼえていない。袋を開き、おもむろに食してみると、味はポテトだった。黒まみれのポテト。今日はフォアグラかトリュフをいただこう。あちらは3564円。こちらは税込み108円。これで年末を乗り切ることはできるか。別に激務じゃないからいいか。