6月28日 朝
レジスタントスターチ、日本語で難消化性でんぷんと訳すこの食物繊維が発見されたのは比較的最近のことだ。それ以前、でんぷんはすべて消化酵素で分解され、小腸で吸収されてエネルギーに変わると考えられていた。しかし、研究は進み、消化されず大腸まで届くでんぷんがあることがわかった。サプリでは菊芋を材料にした難消化性でんぷんなどあり、その用途のほとんどはダイエット目的で、糖質イコール肥満という概念をくつがえす物質。それが昨今、着目されるレジスタントスターチだ。長いので以下、レジスタと呼ぶ。レジスタはでんぷんであるが、食物繊維と同じ作用をもたらす。さらにすごいのは不溶性、水溶性のふたつの働きを同時に併せ持ち、腸内にすさまじく有用な効果を引き起こす。レジスタは穀類、イモ類、豆類などに含まれているが、注目点として、冷ますと、増えるという特性を持っている。糖質制限ダイエットが世にはびこるなか、これに一石を投じるダイエット法がレジスタダイエットであり、ぶたの、失礼、肥満体の多くのかたがあったかほかほかごはんを好むというデータを取ったわけでもないが(なんとなくそんな気がする)私の姉は鈴木その子式ダイエットというものにはまり、あったかほかほかごはんばかり食べて痩せたと喜んでいたが、それは単純にそれまでの濃厚な食事より摂取カロリーが減った結果であり、当然のようにリバウンドを繰り返していた。せっかく冷ましたごはんも再び加熱すると、構造変化し、消化されるようになる。病人におかゆを食べさせる慣習はここにある。冷ますと、レジスタが増え、また、繊維質に変わる。結論として、糖質とうまく付き合いながらダイエットしたいのであれば、あったかほかほかごはんをやめましょう。それで、思い出すのが、ブルーハーツの友という今はなき宝島の記事。質疑応答でブルーハーツのメンバーに好きな食べ物を聞いていた。そのなかで、ヒロト氏の好物は「冷ご飯」だった。江戸時代、将軍様のおひざもとという理由から江戸のひとびとはコメに困ることはあまりなかった。あの時代で一日、ひとり5合は食べていたという文献もある。温かいごはんを食べられるのは朝だけで、あとは朝の残りを昼夜にわけていただく。昔のひとは知らず知らずのうちにレジスタの恩恵を受けていたのだ。一汁一菜でも、たとえば、漬物だけでも乳酸菌は摂れるし、十分な栄養価、というより、健康効果があったのかもしれない。個人的に、ここ数日はオートミールお好み焼きを冷やして食べている。普段は玄米に大麦とオートミールを混ぜて炊いたものを冷やして食べる。夏場の冷や飯はおいしい。糖質制限とかいう大和魂の逆鱗に触れるようなダイエット法が早く滅びることを願う。コメを食べなさい。さすれば道は開かれん。