6月20日 朝
睡眠時間を確保することが現代人の課題だ。といいきれるのは自らの経験に基づいていて、万人に当てはまるかどうかはわからないが、とにかく寝ることですべてを解決してきた。人間は眠ることによって、リセットされる。毎日、生まれ変わる。このような理念によって、日々を過ごしている人間にタワーマンション生活で最も気になることをひとつ挙げるとするならば、やはり、睡眠の質がどう変わるか。ここ数日、コンパクトシティの高層化を論じてきたが、2042年に完成を目指すドバイシティータワーの別名、バーティカルシティを引用して、これからはバーティカルシティの可能性について考察してみる。2400メートルという超高層ビル、ハイパービルディングと呼ぶらしいが、昨日、たまたまあべのハルカスを眺めていて、この8倍の高さを目測で測ってみた。単純に三倍したら雲に隠れた。ここからあと五個分が空を目指す。その昔「空を突き刺す高層ビルが~」という歌詞を書いたことがあるが、メタファが現実になる日がとうとうきた。とりあえず雲は突き刺した。ドバイシティタワーの利用可能フロアは400階で、6棟のビルが螺旋を描いて100階ごとに連結される。完成予想図が公開されているので、建物そのものはイメージしやすい。イメージしにくいのは屋上が2000メートル、最頂部が2400メートルで、上部の400メートルの小塔でエネルギーをつくりだすという部分。電力を太陽、熱、風によってまかなう。さらに建物の一部が海に飛び出し、クルーズ船の停泊地になる。コンパクトシティの高層化は海を越えて、完全に実現されつつあることがわかった。これから超高齢社会を迎える日本が目指す道。それはコンパクトシティではなく、バーティカルシティであることも併せて判明した。陸路、空路、そして、海路をつなげてしまうという発想は勉強になった。それで、問題となるのが、実際にそこに暮らすとして、人間はその高さに対応できるかという基本的部分。現在、世界一高いビル、ブルジュハリファのほとんどはホテルが占めるが、400階建ての、たとえば361階に住むとして、気圧に耐えて、快適に眠りにつくことはできるのだろうか。ここで宇宙との関りがみえてくる。明日も続く。