6月14日 朝
ときどき楽しい夢を見る。寝ているときに見る夢だ。今、住んでいるマンションは10階建てなのだが、たとえば、5階に銭湯が入っていて、8階にスーパーがあり、10階が遊園地になっているといった夢だ。実際は人々が暮らしているだけで、店舗など何も入っていないのだけれど、夢のなかでは別の光景が広がっている。こういった夢を見ることはよくあり、おぼえている限り、列挙すると、昔、住んでいたマンションと周辺の様子が変貌しており、なぜか、今もそこに部屋を借りているという設定。エレベーターが15階ぐらいからいきなり横移動になり、マンションの別棟に行ったり、長い共同廊下を歩いていたらそのままどこかの売り場に突入していたり、マンション自体やマンションを取り巻く環境がひじょうに多角化しているといった夢。数年前からよく話題に上るのがコンパクトシティやスマートシティといった考え方で、これは来るべき超高齢社会と人口減少社会へ向けた提言でもある。詳しくは国土交通省のホームページを見れば済むので、考え方の要素だけをつかんでおくとメリットのおおよそは次の三つに収まる。行政サービスの負担が減る。災害時に迅速な救援ができる。車を使わないので環境保全に役立つ。以上、三つ。メリットを論えば、それこそ数えきれないほど挙げることもできるが、とにかく重要なことはメリットしかないこと。デメリットはない。究極的なコンパクトシティを想像しやすく説明すると、巨大なイオンモールのような場所で、人々が寝泊まりし、働き、買い物をするといったイメージ。むろん、そのなかに各種行政サービスも備わっている。病院もある。学校もある。ただ、イメージとしてこういった発想に落ち着くことはわかるが、果たしてこれが持続可能なコンパクトシティといえるだろうか。この構想が立ち上がったとき、第一の理由は急激な人口減少と高齢化に対応するものだった。2040年には1億700万人にまで減ってしまう人口数も問題だが、重視すべきはその内訳で、現状でも生産年齢と呼ばれる15歳から64歳までの人口割合は過去最低を記録し続けている。65歳以上のひとたちが主軸となる社会。想像するだに恐ろしいが、解決策はある。それがコンパクトシティの高層ビル化だ。巨大なイオンモールという発想自体は正解に映るが、巨大になればなるほど、移動距離も増えるというわけで、車を使わなくとも、館内を走る公共交通機関が必要となる。自動運転のイーブイカーは横の移動には適しているが、縦の移動に弱く、シニアカーのような電動カートを用いるのであれば、いまと変わらず、発想がコンパクトシティではなくなる。事故の危険性もある。そこで横の面積を広げず、縦に伸ばしてしまおうという秘策が世の中を救う。日本の未来を助ける。高齢社会を支える。明日に続く。明日も続く。