6月13日 朝
ドローンの登場によって、空域の整備が急がれるなか、やはり、最も懸念される事案はプライバシーの侵害とセキュリティ面だろう。セキュリティ、安全面でいえば、こち亀の最終巻でも紹介されているようにAIのディープラーニングにより、コースを外れたら自分で戻ったり、緊急時はパラシュートで下降するといった手段がすでに実用段階にある。いま調べてみると、ドローンパラシュート安全システムが14500円で売られている。飛行ルートは河川や高速道路。市街地で空域の混みあった場所では夜中に飛ぶという工夫も考えられる。プライバシー面ではこれはもう法整備の急務しかない。露天風呂の上を飛んだり、高層階の暮らしを覗き見るといった盗撮行為や、これはセキュリティにも関連するが、閉鎖された施設への空からの侵入などもドローンの得意とするところだ。たとえば、刑務所や拘置所への差し入れもドローンを介して可能となる。実際、似たような実話はあって、酒のほそ道のあとがきにあったのだけれど、元やくざの親分が服役中、弟分がクレーンを使って侵入するというエピソードが載っていた。鉄格子の隙間から酒やたばこ、酒の肴等を差し入れし、刑務所のなかで大宴会を繰り広げたという。ドローンを使った悪事、犯罪はインターネットが表と裏の顔を併せ持つように犯罪組織に悪用される可能性は高い。やるべきことは規制ではなく、罰則規定の早期制定。これしかない。ドローンが活躍する場所、場面として、大きく効力を発揮するのが都市部の生活であり、いま話題のコンパクトシティをさらに飛躍させて、自分なりに未来のビジョンを考えてみる。高齢化と人口縮小社会。これを一気に解決させるカードとして、コンパクトシティの高層化構想はどうだろうか。いまの横移動の社会を縦移動へ変換してしまうのだ。歩く歩道を張り巡らせるのは困難だが、エレベーターの設置なら容易い。現在、世界一高いビルはドバイにあるブルジュハリファ(828メートル)だが、このクラスのビルを乱立させればいい。あべのハルカスで300メートル。東京スカイツリーで634メートル。もうちょっとがんばって1000メートル級のビルを新たな建造物の基本概念に置く。災害大国日本でも可能な耐震性や、高所生活では何かと体調面に異変が起こるとも聞くが、このふたつの課題は発展と進化によって解消されることだろう。そして、ここにドローンの未来と日本の未来が開けてくる。明日はドローンと高層マンションの可能性について。