6月12日 朝
こち亀の最終巻には近未来を示唆するキーワードがいくつか出てくる。列挙すると、自動運転、ボーカロイド、顔認証、007、ドローン、アトモス、コンパクトイーブイといったもので、2021年現在、最終巻が刊行された2016年当時よりもそれぞれ社会に浸透した気運はある。顔認証はいまやスマホ認証に欠かせないし、キャッシュレス化の流れも加速するばかりで、5年前にはなかったバーコード決済も当たり前の世の中になった。自動運転に目を向けると、さらに一歩、踏み込んだ検証もはじまり、今月15日には首都圏最大級の自動運転検証拠点「koil mobility field」が千葉県にオープンする。米国では乗用車ばかりでなく、自動運転のトラックが運用をはじめた。こちらのスピードアップも早まるばかりだろう。アトモスやボーカロイドの技術はコロナ禍のリモートやテレワークの余波で、より身近な存在となった。バーチャル配信、アバターといった娯楽中心に取り組んできた産業構造も企業が活用するメリットにシフト転換する方向だ。こうした非接触型の傾向は各種サービス産業にも広がりをみせる。今後はアバター接客の店舗が増えるかもしれない。ここで欠かせない発想として、AIのディープラーニングがある。アイロボットの世界も近づきつつある。なかでもディープラーニングで最も注目したいキーワードはドローンだ。何週かまえの正義のミカタでメイドインチャイナの軍事ドローンが紹介されていたが、正直、もうこのレベルまできたのか、と不勉強を自覚した。ドローンは無限の可能性を秘めている。軍事関連では何千、何万の無人爆撃機であり、イラン革命防衛隊ソレイマニ司令官も米国のドローン攻撃で散ったことは記憶に新しい。民間に目を向けると、こち亀でも説明されているように物流、農薬散布、気象観測、高層ビルや高速道路のメンテナンスなど活躍の場は増すばかりだ。安全面と実用面を秤にかけるばかりで、まったく進まなかった法整備だが、どうやら2022年度をめどにロードマップが動き出すようだ。これはドローンに関する施策を議論する「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が公表したもので、これによって、レベル4と呼ばれる貨物輸送レベルが可能となる。車に替わる産業として空域の整備が急がれる。いつまで日本経済は低空飛行を続けるつもりか。高く飛ばなければならない。志は高くあれ。ということで、明日はドローンの活用と高さについて。