6月21日 朝

夏至の朝、気づくと夜が終わっていた。夜中、時計を確認すると、3時58分にはまだ起きていて、日が明けるのを待っていた。それが、いつのまにか眠ってしまい、起きると快晴の青空が広がっている。冬至はうれしいが、夏至は悲しくなる。毎年、恒例の感傷に浸った。夜中、なぜ起きていたかというと、パニック発作のような症状が出て、息苦しくて、暗闇が怖くなったからだ。たまにある。酒を呑みすぎなのも関係するとおもう。中島らも氏の著作、牢屋でやせるダイエットに似たようなシーンがあり、それを思い出しながら呼吸を整えてみたりもしたが、結句、窒息感は止まず、そこらじゅうを歩き回ったり、低血糖なのかもともおもい、はちみつを舐めたりした。葛根湯も飲んだ。ただ、水分を摂ると、息苦しさが増すというか、溺れているような錯覚に陥る。苦しい。なにか気分を分散させようとテレビをつけて、たまたまやっていたドキュメンタリーを見たり、散歩に出かけたりするうち、次第に落ち着いてきた。この怖さを何にたとえたらいいだろう。暗闇のなか、手足の動かせない狭い場所に閉じ込められているような。この症状が起きているとき、風呂や洗面台といった場所に立ち入るのが怖くなる。単純に閉所恐怖症が悪化している状態なのだとおもう。自由を拘束される苦痛。ビタミンAのサプリも関連するかもしれないし、一度、病院に行ったほうがいいのかもしれない。時代の要請にしたがい、バーティカルシティが日本で実現するとして、気になるのはやはりメンタル面だ。ここをどう克服するか。2000メートル級の高所で暮らす。この構想に宇宙飛行士の体験談が役立つ。宇宙には滞在初期に発生しやすい宇宙酔いがあったり、国際宇宙ステーションは90分で地球を一周するので、1日に16回、昼夜が45分おきにやってくる。スペースシャトルに搭乗した日本人最後の宇宙飛行士である山崎直子氏によると、寝ることだけは事前に訓練ができないので、ぶっつけ本番だったという。issという閉ざされた空間で、長期滞在する宇宙飛行士の睡眠法がとりあえずのお手本となるかもしれない。六本木ヒルズをつくった森ビルはすでにバーティカルガーデンシティという理想の都市モデルを標榜している。明日に続く。
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6月20日 朝

睡眠時間を確保することが現代人の課題だ。といいきれるのは自らの経験に基づいていて、万人に当てはまるかどうかはわからないが、とにかく寝ることですべてを解決してきた。人間は眠ることによって、リセットされる。毎日、生まれ変わる。このような理念によって、日々を過ごしている人間にタワーマンション生活で最も気になることをひとつ挙げるとするならば、やはり、睡眠の質がどう変わるか。ここ数日、コンパクトシティの高層化を論じてきたが、2042年に完成を目指すドバイシティータワーの別名、バーティカルシティを引用して、これからはバーティカルシティの可能性について考察してみる。2400メートルという超高層ビル、ハイパービルディングと呼ぶらしいが、昨日、たまたまあべのハルカスを眺めていて、この8倍の高さを目測で測ってみた。単純に三倍したら雲に隠れた。ここからあと五個分が空を目指す。その昔「空を突き刺す高層ビルが~」という歌詞を書いたことがあるが、メタファが現実になる日がとうとうきた。とりあえず雲は突き刺した。ドバイシティタワーの利用可能フロアは400階で、6棟のビルが螺旋を描いて100階ごとに連結される。完成予想図が公開されているので、建物そのものはイメージしやすい。イメージしにくいのは屋上が2000メートル、最頂部が2400メートルで、上部の400メートルの小塔でエネルギーをつくりだすという部分。電力を太陽、熱、風によってまかなう。さらに建物の一部が海に飛び出し、クルーズ船の停泊地になる。コンパクトシティの高層化は海を越えて、完全に実現されつつあることがわかった。これから超高齢社会を迎える日本が目指す道。それはコンパクトシティではなく、バーティカルシティであることも併せて判明した。陸路、空路、そして、海路をつなげてしまうという発想は勉強になった。それで、問題となるのが、実際にそこに暮らすとして、人間はその高さに対応できるかという基本的部分。現在、世界一高いビル、ブルジュハリファのほとんどはホテルが占めるが、400階建ての、たとえば361階に住むとして、気圧に耐えて、快適に眠りにつくことはできるのだろうか。ここで宇宙との関りがみえてくる。明日も続く。
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6月19日 朝

睡眠の重要性はつとに感じていた。「寝るやつはバカだとおもっていた」という某有名人の言葉をうのみにし、昔は睡眠を軽視していた。寝る時間があれば、何か将来に必要な武器をひとつでも多く手に入れたり、ひとつでも早く身に着けるべきだと気ばかりがあせった頃。振り返れば、人間の欲求のなかで、最も無駄なものが睡眠時間だとおもっていた。これさえなければ24時間を最大限に使いこなせる。という理屈から昼は11時から20時まで働き、夜は0時から5時まで働くことにした。夜が休みの日は21時から7時まで遊んだ。そうした生活がいつまでも続くわけもなく、ある日、日勤の仕事を遅刻し、夜の仕事一本に絞ることにした。しかし、その後も睡眠を軽視する傾向は変わらず、朝の6時から焼肉に行ったり、午前中から呑みに出かけたり、寝る時間も起きる時間もまるででたらめだった。いまは違う。栄養学を学び、日々、トレーニングに励み、睡眠の効果をいやというほど実感する毎日を過ごしている。ちょっとまえ、仮眠についていろいろ調べた。米軍が実践している睡眠導入法や効果の高い耳栓やアイマスクを取り入れたり、できることはすべて試した。悟ったことはただひとつ。のび太くんは神でした。ちょっとした疲れを取りたいとき、目を閉じれば眠れると豪語するひとがいる。すぐに眠りに落ちることができる。これはひとつの優れた才能なのだ。おそらく性質がちがうのだとおもう。自分は魚でいえば、回遊魚だ。じっと物陰にひそんでいたり、一か所にとどまっていたりするのが得意ではない。得意ではなかった。ADHDやアスペルガーといった呼称がしっくりくるAB型の末っ子で、そのままの気質というか、自分のわがままを通して生きてきた。いまさら反省する気もさらさらないし、世のために尽くすが、わがままは貫き通せると信じているところもある。この性質はある本との出会いによって、先鋭化した。その本のタイトルはニューヨークの24時間というものだが、著者は人間を忙しい人と暇なひとのふたつにわけることができると冒頭から力説する。この本から学んだことは多いが、なかでも、有用な情報はスピードアップだった。自分はひとことでいえば、マイペースなのだとおもう。マイペースと聞いて、のんびり、とか、ゆったりを思い浮かべたひとはのんびりとかゆったりしたひとなのだろう。マイペースはあくまで自分のスピードであり、ひたすらに速く動くか、ひたすらに多くつめこむかしないと落ち着かない性格のひとが世の中にはいるのだ。ドラマ古畑任三郎の真田氏の回に共感をおぼえ、憧れを抱く。明日に続く。
posted by せつな at 06:34Comment(0)日記