10月11日 早朝
10月に入って二度目の日曜日を迎えた。日曜日は基本、外食の日なので今日も出掛ける。gotoキャンペーンを利用するつもりだけれど、ホットペッパーの予約画面にこのような一文が加わった。「飲食店での会計金額がお一人様あたり、ランチタイム500円(税込み)ディナータイム1000円(税込み)以上の場合のみ、gotoイートキャンペーンポイント加算の対象とさせていただきます」最初からこうしておけばよかったのだ。鳥貴族にいたってはコースのみの予約となり、当日キャンセルは半額のキャンセル料も発生することになったので、予約数は激減するだろう。二時間、延長なし。4人家族で最低20品目。おなかいっぱい。さて、本来、この企画はコロナ禍で苦しむ飲食店を応援するためにはじまった。応援したい気持ちはあるが、わざわざ外食して感染のリスクを高めるのはいかがなものか、という大多数の庶民の背中をまあまあまあと後押しするものだった。少し遅すぎたきらいはある。もちろん、日に日に変わる感染状況や混乱において、見極めるのは相当、難しかったとおもうが、なぜ、こんなことを書いているかというと、過去最多ペースでラーメン店の倒産が急増しているというニュースに触れたから。ただでさえ、競争激化の業界にあって、自宅待機と時短営業、さらに営業自粛は個人店を壊滅させるに十分だったにちがいない。日本のラーメン文化が象徴するものは果たしてなんだったのか。ひとえにその窮屈さだったようにおもう。狭く混みあう店内、行列、間隔のない隣席。目の前で調理される熱気。飛び交う隠語。もくもくとひたむきに麺をすすり、スープを飲み干すある種、異様な食事風景。漫画、美味しんぼでは、これを「暗い情熱」と呼んだ。まるで罰ゲームを受けているみたいとの表現もあった気がする。先日、ビールとソーセージの巻だけ残し、全巻、処分してしまったので確認のしようもないが、客観的に的を射た描写だったように記憶している。ラーメンに対する人々の思いには並々ならぬものがある。ほかの外食とは明らかに異なる圧倒的なマニア数、および、リポート数。確かめたことはないが、グルメ特集やグルメ本の出版数ももっとも多いようにかんじる。毎日のように誕生しては消えていき、また、名を遺す名店の数々。そのなかのひとつ家系御三家の六角家も倒産した。破産理由はコロナだけではないらしいが、行っとけばよかった。コロナ禍が投げかけた最大の改善はソーシャルディスタンスの確保だった。今後、狭い店が生き残るのは至難かも。