10月6日 早朝
朝晩めっきり寒くなってまいりましたと季節の挨拶からはじまる朝もわるくない。昨日は栗ごはんを炊いた。くりをいただいたからだが、どうせなら栗ごはんをいただきたかった。おいしゅうございました。先般、gotoトラベルキャンペーンを紹介するテレビで旅行者がインタビューに答えていた。新幹線で京都から東京に来たというその旅行者の目的は築地でおいしいものを食べたいというものだった。不勉強であやふやだったが、あれ、築地ってたしかもうとっくに豊洲に移ったのではないか、とふいに頭に疑問符が浮かんだ。本日、10月6日は築地市場が最後の営業を終えた日。いい機会なのであやふやで不確かな情報を組み立て直しすっきりさせようとおもう。2018年10月6日。二年前の今日、確かに営業を終えたと記されている。しかし、よくよく確認すると、卸売市場としての営業終了とあり、もしかして場外市場の飲食店はいまだ多く存在しているのでは。調べてみると、果たしてそうであった。とりあえず34店舗は確認した。2020年現在の最新事情でも、一般客向けの場外エリアは元のとおり健在で、まだまだ活気にあふれているとある。食べ歩きの写真を見た感じでは京都の錦市場のような混雑具合だ。ぜんぜん知らなかった。終わったエリアと思いこんでいた。上野のアメ横とか、風情は違うが法善寺横丁とか、ジャンジャン横丁とか、横丁と名のつくような狭く混みあう路地が意外に好きで、この傾向は小さいころから続く。なぜ、そうなのだろうと、思い起こすと、やはり親に手を引かれ、ほっつき歩いた想い出に起因するようにおもう。築地も行ったことはないが、似た匂いをかんじる。親に手を引っ張られ、歩く狭い路地。普段、食卓に上らないめずらしい食べ物を買ってくれて、それを歩きながら頬張る幸福感と安心感。夜店の屋台のような風景が毎日、花開いている空間。日常であり、いっぽうで非日常でもある小宇宙。インタビューに答えていた旅行者は年配のかただったが、なんとなく築地を目指す理由がわかる気がする。最近のスーパーもそう。巨大化するモールと駐車場にカートなしにはミッションがクリアできない。みっちょん元気かな。築地場外市場で食べ歩き!絶対食べたいグルメ12選を見て、目を惹いたものがふたつあった。築地らしくて、食べ歩きに適していて、それでいてリーズナブル。鯨の登美粋のクジラカツとにっしん太助のうなぎ串。ほかにもいろいろおいしそうだが、酒呑みにはこの「くしに刺さっている」というのがいいのだ。左手にビール、右手に串。あるいは右手にワンカップ、左手に串。もう誰にも手を引かれない。オトナになったんだなあとおもう。と同時にわくわく感は子どものままだなあ、ともおもう。