3月11日 朝
散る桜、残る桜も散る桜。この季節、この時期、この日を迎えると、かような文言が脳裏に浮かぶ。ひとはやがていなくなる。どんなにがんばっても、どんなにいやがっても、どんなにむずがっても、いなくなる。宿命というやつだ。だからこそ、今を生きるしかない。過去にすがり、未来を焦がれても現実はいまというこの時間にしか存在しない。いつかその日が来るまで。さて、今年も桜の季節がやってくる。桜が終わればハナミズキ。時をおなじくしていつもなら造幣局の通り抜けがあるのだけど、コロナのせいで開幕中止。ヴィレヴァンのお宝発掘セールもないし、陽気な春ではなくなってしまった。されど、春はやってくる。昨日はスーパーに山菜が並んでいたし、ウイルスがどれだけ猛威を奮おうと季節は移り変わる。桜が咲き、桜が散る。それでいいじゃないか。