12月18日 朝

寒い冬の朝はなんといってもおでんということで、今朝はカレーにした。ただのカレーではない。すべての具材をミキサーにかけたポタージュだ。この時点でポタージュなのだけれど、カレールウをひとかけら投入するのでカレー。遠くインドをかんじるぐらいの濃さとなる。味はコンソメで整えるのだけれど、コンソメがないので塩で加減する。最近になってようやくいい塩梅という本来の意味がわかった気がする。鶏肉は塩と酢で煮る。パスタに塩は使わない。おでんも塩で煮込む。いわしは塩と山椒で煮る。以前はシロさんのようになんでも本だしか麺つゆで乗り切っていたが、塩は万能調味料と知った昨今、塩加減で微妙な味のバランスを演出できるようになった。この手法を用いることによって、特に野菜のうまみを引き出せる。個性も強調できるし、素材の良しあしでここまで変わるかということもわかった。にんじん、大根はその傾向が顕著だ。素材本来の持ち味を引き出す。これが料理の醍醐味であるのならば、料理は万物の頂点であるなら、料理がひとを育むのであれば、料理によって救われる命があるならば、これはもう経済と結びつけて考えるしかないというわけで、財務省というシェフがいる。経団連というスーシェフがいる。官邸というギャルソンがいる。三者三様三流となれば、出てくる一皿が一流となる謂れはない。味は辛いか酸っぱいか。あるいはまずいか失敗か。まだ、塩味があればいい方なのかもしれない。素材のよさを引き出すことなく、ただ右から左への発想で客の評価がつくとでもおもっているのか。日頃、日本大応援団のひとりとして苦境にあってもこの国を卑下することはないが、10月の消費増税からわずか二か月。先日、公表された企業短観を受けて、中身をみればさすがに口を出さずにはいられない。短観をミシュランの星と捉えれば、マイナス5つ星を喰らったようなものだ。意気揚々と消費増税を実行し、激怒激高と皿を叩き割られた。マズい。そのひとこと。シェフはクビだ。次の一皿を持ってこい。
posted by せつな at 07:06Comment(0)日記