12月11日 朝
いきなりステーキが大ピンチ。近くにも店舗ができたのだけれど、一度も行ったことがない。そもそもステーキを外で食べない。じゃあ、家で食べるかというと、たまに食べる。それで、つまり、どういうことかというと、いきなりステーキの客足が遠のいていて、社長直筆による張り紙が話題を呼んでいるという。「お客様のご来店が減少しております。このままではお近くの店を閉めることになります。従業員一同明るく元気に頑張っております」へー。知らんがな。資本主義の過当競争に敗れ去るのもまた人生というものだろう。先日、千里中央のヤマダ電機に行ったのだけれど、その三階か四階にレストラン街があって、そこにいきなりステーキが入っている。食事自体は別の店、具体的にはサイゼリヤで済ませたのだけれど、いきなりステーキも一応、覗いた。平日、昼間にもかかわらず、結構、混んでいた。昼時だったこともあるのだろうけれど、別に安くもないし、みんな金持ちなんだなあという心持ちでメニューやら店内やらを眺めていた。客層をみて、気づいた。ほとんどが一人客のおじいちゃん。なかには男女の組み合わせもいたが、それでもおばあちゃん。よくいって、おばちゃん。見る限り、若い客は皆無だった。一人客のおじいちゃんをみて、ふと、おもった。年寄りだからといって昨今は肉食が増えていることは知っていたが、ステーキという概念におそらく並々ならぬ情熱を傾けていた世代の下っ端のほうが年寄りにみえるだけというか、社会構造の変化を食文化から窺い知ることができた――気がした。朝めし自慢という年配者の朝ごはんを紹介する本がサライから出ていて、これは雑誌サライの人気コラムの編纂なのだけれど、自宅に二冊ある。お年寄りの健康の秘訣はなんといっても朝ごはんというわけで、それぞれに工夫を凝らし、バラエティに富んだ献立で朝のひとときを過ごしている。手の届くところにあったのでざっと紐解いてみると、朝から肉をいただいているひとはいなかった。量的にも朝からがっつりいっているひとはいない。続定番朝めし自慢の初版が1998年。最新朝めし自慢が1999年。20年近く年を経て、そのころの40歳ぐらい、W浅野ぐらいが還暦を迎えるとなると、バブル期を過ごした中高年が今の後期高齢者ということになるわけで、そうすると、自ずから食生活も変わってくるのかなと思いつつ、サイゼリヤに入って500円ランチをいただくのでした。