8月23日 朝

履正社高校が優勝した。感動した。長年、高校野球をみてきた人間にとって、やはり昨年の履正社vs桐蔭の試合が今年に響いている気がする。準決勝、9回表、ツーアウト。あとひとり抑えれば履正社が勝利する場面。ま、さ、か、の逆転。その裏、好投を続けていた根尾をあっさりと下げ、エース柿木を投入。150キロの速球の前に凡退。履正社の夏が終わった。今年も大阪大会から見続けて、決勝で金光を7対2で破った履正社をみて、例年とは違う何か特別な雰囲気を感じ取った。コースをつく緻密さと切れのある変化球をのぞけば、正直、ふたりのピッチャーは凡庸に映った。もちろん履正社という強豪にしては、という意味だが、甲子園決勝の相手、星稜の奥川、大船渡の佐々木らに比べれば、特別なものはみられなかった。特筆すべきは今回、屈指といえる強力な打撃陣による得点力だった。なかでも井上選手のアッパースイングにはホームランバッター独特のオーラがあった。当たれば、飛ぶ、という信頼感。外れても豪快という期待感。絶対的スターのいない今年の大阪代表にあって、井上選手はドラフトにかかりそうな気がする。星稜バッテリーが日本代表に選ばれ、自分は選考から外されてくやしかったと話す彼の口調はもう過去のものだ。屈辱をプロで返せ。人生は続く。そして、屈辱は形を変え、栄光のはじまりだったと名を改める。今朝の日経の春秋に「あぶさん」の話が載っていた。プロを引退したあぶさんは大阪の三つの高校の連合野球チームのコーチに就任するという展開。これが時代だ。今年の甲子園地方大会に参加した3730チームのうち部員不足の連合チームは86で過去最多。記憶のあるかぎりで、3730チームというのにも驚いた。高校球児4000校の頂点はとっくに割りこんでいたのだ。少子化に加え、スポーツの選択肢の多様化。NBAに日本人が参戦する時代の高校野球の暑苦しさ。だが、この暑苦しさがいい。そういえば、八村選手も野球からバスケに転身したのだったか。気温が40度に迫る球場で白球に賭ける想い。いつまでも観ていたい。ついでに今日の日経の一面。無事、ジーソミア終了。優勝と終了。いいことづくめで今日も祝い酒。
posted by せつな at 06:55Comment(0)日記