8月9日 朝
ブックオフが今度は510円以下の本を一冊くれるというので、こち亀200巻40周年記念特装版にした。ちょうど510円。少し前に新聞の見出し広告に秋本治氏の新刊紹介が載っていた。40年の間、一度も原稿を落としたことがないそうだ。その仕事術について。幼いころの記憶だが、週刊ジャンプを立ち読みすると、いつもこち亀だけはあった。これは長ずるにつれても続く傾向で、いや、もっと強く感じた、というか、多くの連載が終了するなか、ジャンプにはこち亀があるという安心感を自身にもたらしたものだった。最終巻だが、スーパー銭湯で読んだつもりだったのだけれど、記憶になかった。今更感もあるが、感動したのでレビューがてら今朝はこれ。のっけから、全開だ。一話目、中川がいう。「ぼくもメカがひとを支える時代がくるとおもいます」ぼくもおもいます。ここ20年で確信した持論だが、テクノロジーが未来を構築する。テクノロジーが世界に先駆けた超高齢化を照らす。テクノロジーが習慣を変える。テクノロジーの発達に限界はない。このテクノロジーには科学工学分野だけではなく、バイオテクノロジーも当然、含まれる。よって先端テクノロジーと位置付けるとよりわかりやすい。先端テクノロジーの目的はただひとつ。人間の補完だ。バイオに目を向ければ、今、読んでいる大沢氏の「ウォームハートコールドボディ」もそんな感じなのだけど、これは最大のテーマ命について描かれている。実際は科学分野もそう。人間の補完をつきつめれば、すべては命の尊厳にたどりつく。完全な機械が意味するもの。それは人間という不完全な生物の織りなしてきた歴史を繰り返さないためにある。その意味するものの意味すら、人間という思考を経た答えでは不完全となる。なぜなら感情が意味を拡大させてしまうからだ。これを拡大解釈という。たとえば、現行のAIが導き出す解答はビッグデータのとりまとめに過ぎない。にも拘わらず人間がこれを活用しようとしたとき、人間の嗜好によってさまざまな結果につながる。実例のひとつが「水素自動車の失敗」なのだけど、最近、ある本で得た知識によれば、失敗はないそうだ。そういえば自分も失敗をしたことがない。少なくともここ数年はたった一度もない。なぜか。失敗と認識することをやめたからだ。すべての事象は教訓にすぎない。「生きてる限りはすべてかすり傷」といったタイトルの本がベストセラーというのだからこういった考えも浸透してきているのかもしれないのだけど、テクノロジーの特異性はまさにこの部分に集約されている。未来は明るい。新世代にがんばってもらおう。