8月5日 朝

いやあ、呑んだ。もう無理ってぐらい呑んだ。最初のジョッキ10杯ぐらいまでは楽しく呑めた。正確に記すと、最後まで楽しかったのだが、半分、眠っていて何を呑んでいるか、よくわからなかった。眠くて目が開かない。夜を失いたくないので気を張るが追いつかない。朝を迎えたくないから千鳥足でさまよう。しかし、こうした努力も甲斐なく、あえなく撃沈。冷房の効いた寝室はなによりのご褒美と思い知る。今朝も蝉しぐれ。大阪の夏祭りは愛染さんで幕を開け、住吉まつりで幕を引くというが、8月の第一週の週末を通り過ぎると、全国のたいていの夏祭りも閉幕と相成る。あとは盆踊りを待つだけで、そのころには蝉しぐれもちらほらと止んでくる。山の日という経済界の要請で8月に決まったよくわからない祝日を皮切りに子供たちはそろそろ学校の宿題をおもいだし、おとなたちもそろそろ人生の宿題を思い出す。五山の送り火に思いを馳せ、人生の短さ、儚さ、へっぽこさを思い起こすのだ。ブコウスキーの墓にはある言葉が刻まれている。すなわち「don't try」いかようにも受け取れるブコウスキー流のレッスンワンといったところか。南北、左右、世界の名だたる偉人たちがこぞって、挑戦することこそが人生だ、などという意味の戒めを残すなか、ブコウスキーの声は響く。本当に響き渡るのだ。まあ、無理すんな、やめとけ、ほどほどにな、肩ひじ張るな、立ち向かうな、ま、適当にな、けっして、がんばるなよ。なんて。盆を過ぎると、残夏の季節が到来する。初夏の陽気にくらべ、だるだるとした、しめって火のつかなくなった花火を無理やり燃やし尽くすような、そんな季節がやってくる。今日の昼にでもスイカを食べておくか。えだまめか、飽きたな。Tシャツに短パンも飽きたな。でも、夏が終わるのはいやだ。きんちょーの夏、永遠の夏。じりじりとした太陽、ひりひりとした潮風。すべてが混然一体となって焼き尽くす夏。明日は甲子園開幕。あさっては歯医者。夏はまだまだ終わらない。
posted by せつな at 07:08Comment(0)日記