10月14日 朝
いきなりステーキが苦境に立たされている。近隣に着席形式の店が一軒できたけど、正直、魅力をかんじない。ましてや立食形式など需要はあるのだろうか、前から疑問だった。米国進出もこけたようであるし、曇り目にもようやく実態が映りだしたというところか。ここの母体はたしか幸楽苑という激安ラーメンのフランチャイズシフトであると記憶しているが、時代の趨勢は変わった。激安店も値上げせざるを得なくなり、軒並みそうした店は業態替えを余儀なくされた。その時期が今から3.4年前。2014年の消費増税とアベノミクスによる株高と人件費増、円安による材料費増と目まぐるしく環境は変化した。激化といってもいい一連の流れはさまざまな災害被害もあり、さらに強まる。2018年を振り返ると、あとから、ああ、あの年だったな、と感慨深いため息をつくかもしれない。外食チェーンの価格帯に敏感な層がいっそうの増加をたどるのは火を見るより明らかだ。人件費増、材料費増の圧迫から値上げせざる得ない台所事情もわかるが、そうした機微に庶民は無関心だ。吉野家のような大手にしろ価格帯の見直しは直撃をくらうご時世。ケンタッキー・フライド・チキンといえばファストフードの代名詞的時代もあったが、価格増がなくとも価格帯の見直しはもはや経営母体をゆるがすほどの問題となっている。手軽な食と値ごろ感は今では平衡していない。最近ではスシローにそうした傾向がみられるが、安ければ安いほど繁盛するという近頃の法則は景気刺激策とも釣り合っていないように感じる。結句、庶民の意識変革といっていい。日本の繁栄を知るかつての層とこの20年を体感して育った層ではまるで違う経済感覚を持っている。ラーメンを100円で提供する西成のとある店をユーチューブでみたが、驚愕の一品だった。撮影者もいうようにとても100円で提供できるラーメンには見えなかった。チャーシューは入っていなかったがその代わりにピータンが浮かんでいた。ウツワも普通サイズにみえた。これで締めて100円。西成という特殊性はあるにせよ、時代は変わった。