8月31日 朝
覚えていますでしょうか。プレミアムフライデーを。くしくも本日8月最後の日、8月最後の金曜日でもある。3時に退社して夏を大いに楽しみましょう。明けて明日は九月。九月最初の土曜日となる。その次が九月最初の日曜日。そして次が、て、延々とこれを続けるのも一興ではあるが、今年はさんまが安い。一昨日も函館だったか、無料で小ぶりのさんまがふるまわれたというニュースに接した。ひとりに一匹ずつとかそういう類のものではなくて、水揚げされた大量のさんまが取り放題という豪儀なものだった。昨年は不漁だった。一昨年も不漁だった。理由は三陸沖にたどり着くまでに味を占めた東アジア系漁師が根こそぎ取ってしまうからだ。漁業協定を結ぶため日本が積極的にかじ取りしているという記事を以前みたが、その後どうなったのだろうか。シナや台湾が反発してうやむやになったとか、うろ覚えだがずいぶん前の日経新聞に載っていた気がする。今まで見向きもしなかった海の幸をなぜこれほどまでありがたがるようになったか。シナ国といえば鯉やナマズを獲って丸揚げしていたはずなのにどういった風の吹き回しか。一説によると、日本人がなぜ長生きなのか、なぜ日本人は頭がいいのか、資源を持たない日本がなぜこれほどまでに世界に影響力を持つのか、なぜ日本人は民度に長けているのか、なぜ日本でノーベル賞受賞者が多産されるのか、世界を驚かす発明品の多くがなぜ日本で生まれるのか、なぜこれほどまで多くの日本人が世界中で愛されるのか、なぜ日本人は太っていないのか、なぜ日本人はハゲていないのか、すべてはサンマにあると結論付けられた。よってサンマを食べて日本人に近づこうと考えられたわけだ。はた迷惑な話ではあるが、海の恵みが万人にもたらされるのもまた平等というものなのだろう。今年は幸先がいい。主産地である北海道の水揚げ量はすでに前年を上回るペースで、東京築地に入荷する量も今週以降、増えていくという。卸値は前年同期比で6割安い。根室市の花咲港では今週に入り、前年同期に比べ約4倍近い1300トンの水揚げがある。「8月からこんなに取れるのは久しぶり」という水産加工会社関係者の声も聞かれる。水産庁のグラフをみると、たしかに2014年をピークに昨年まで右肩下がりに漁獲量が減っている。よく覚えているが、ついでにいうと昨年のサンマは皆スリムだった。今年は逆で一匹あたり140から150グラム去年より2、30グラム重いものが目立つという。サンマ好きにとっては何と朗報か。されど楽観視は禁物だ。サンマ漁ははじまったばかりで、現在の水揚げが続くかは見通しにくいと記事は伝える。サンマ資源を守る国際会議では資源量が減少しているとの見方が主流でもある。サンマには国際的な漁獲枠がない。7月の国際会議で日本が提案した漁獲枠導入も先に述べた異国の反対により協議が19年以降に持ち越されたという経緯もある。なぜ日本人は優秀か。サンマを漁るだけでなく、どう保護するか。この視点に頭を悩まされるようでなくてはとても日本人には近づけない。まだまだといえる。