11月30日 早朝
あ、というまに師走を迎える。今日で11月も終わりだ。齢を重ねるたび思う。かつて10歳のとき、10分の一だった1年が30歳を迎えると30分の一年にまで希釈される。当然、70歳なら70分の一だ。また、かつて初体験ばかりだった未知で新鮮な光景は今や体験したことのある既知で慣熟した場面ばかりとなった。とはいっても、新年を迎えるというのは格別のリセット感があって、日々の睡眠によるリフレッシュ度の何倍かは希望と活力を与えてくれる。年が改まってからの書初めとか、新年の豊富とか、1年の計は元旦にありというぐらいだからよく聞くけれど、師走を迎えるにあたっての展望はあまり聞かれない。ここはひとつ純然たる思いで臨むべきとしよう。充実した12月を過ごすためによく聞く計は男女同率で恋人探しだ。普段、孤独で平気なひともこの時期になると途端、けい然たる自分がうらめしくなる。かたや恋人がいるひとは24日に向けて着々とアイデアを練り外堀を固めていく必要がある。楽しむためには下準備が欠かせない。バブル期ほどではないが、クリスマスはやはり恋人たちのもので1年の数あるイベントよりも特別感がある。ホテルのBARでしっくり過ごす夜もいい。祇園の某レストランで3万円の肉を喰らうのも魅力だ。明石家サンタを観ながら自宅でチキンを齧ったっていい――自分はたぶんこれだ。しかし、なかには外で激しく遊ぶほうが好みという輩もいて、そういったアクティブ派にとって最高のクリスマスプレゼントとなりそうなのがこのニュース。東京ディズニーリゾートが大幅拡張するという。無論、今年のクリスマスには間に合わないが、こういったビッグニュースはわくわくする。さんざんいわれてきた訪日外国人増加による混雑の常態化という最大の理由に加え、国内のテーマパーク間競争の過熱感から一歩、抜きん出る意図もある。もちろん、その背景には2020年に迫った東京オリンピックがある。最大のライバルといえばUSJだが今年の春、名古屋にできたレゴランドも含め、今後、国内外の観光客を狙ったパイの奪い合いは激化していくことだろう。入場者数が2年連続で減少している危機感はさもありなんといえど、原因のトップは混雑によるリピート客の低下が挙げられる。今回の計画では駐車場を立体にし、現在、100万平方メートルある敷地を3割程度拡張する。USJもハリーポッターエリアを拡張したばかりでまさに対抗措置と呼べる今回の大規模拡張工事だ。まず19年度には駐車場が完成するという。新しいエリアはその後の着工となり東京オリンピックをまたいでしまう形になりそうだがそれでも起爆剤になるには充分といえる。1983年オープン以来、2001年にディズニーシーが登場し、今回が3度目の誕生になる。東京ビッグサイトでは昨日から国際ロボット展が開催されている。トヨタをはじめとする最新型ロボットの多くは生活に根ざしたものという。モーサテで観ただけでもその昔、夢見た未来を超越した今が垣間見えた。あ、というまに師走を迎えるからといって振り返るのはやめにしよう。いつだって前へ前へ。振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない。